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【名古屋】錦三など「特別区域」では懲役や罰金も 「ぼったくり防止条例」案

 キャバクラなどで客に法外な料金を請求する「ぼったくり」を撲滅しようと、「ぼったくり防止条例」案が、県議会二月定例会に提案されている。可決されれば、七月に施行される。条例の対象は県内全域。違反者に懲役や罰金を科す特別区域には、名古屋随一の繁華街「錦三」地区などを指定する。

 「ここが客引きのメイン地帯。ここから店に客を連れて行くんです」

 県警の担当者は二月下旬の夜、錦三で報道各社向けの説明会を開き、ぼったくり被害の現状を解説した。

 条例案では、キャバクラやガールズバーなどに分かりやすい料金表示を義務付ける。キャバクラなどへの執拗(しつよう)な勧誘のほか、現金自動預払機(ATM)に強引に連れていくなど、不当な取り立てを禁じる。違反した場合、営業停止などの行政処分をするとともに、県公安委員会のホームページで業者名を公表する。

 特別区域に指定されるのは、錦三とその南の栄三丁目、久屋大通公園を挟んで東にある栄四丁目、栄五丁目の一帯。この地域に、県内のぼったくり被害の九割以上が集中する。最も重い罰則は「一年以下の懲役か百万円以下の罰金」となる。

 県警によると、二〇一四年九月、錦三のキャバクラを訪れた五十代の男性が、店から三百五十万円を請求された。昨年三月には、知人と錦三の外国人パブを訪れた四十代の男性が、二人で計百三十万円の被害に遭った。

 県警によると、統計を始めた一四年八月から約二年半に寄せられた料金トラブルの相談は千二百件で、請求額は計一億九千万円。うち、一人当たりの請求額が十万円以上だったのは二百三十四件で全体の二割を占める。

 県警保安課の担当者は「店の収益の一部が反社会勢力に流れている可能性もある。ぼったくり壊滅を目指したい」と話す。
2017.03.14